今回は「ためしてガッテン」で紹介された、きのこの旨みを存分に引き出すガッテン流きのこ鍋の作り方をご紹介します。肉や魚、だしを使わず、きのこと野菜だけで極上の味わいいっぱいの鍋が出来上がります。シンプルな材料ながら、温度管理を徹底することで、グアニル酸と呼ばれるきのこの旨み成分を最大限に引き出すのがポイントです。
ガッテン流きのこ鍋の魅力
シンプルな材料で深い味わい
きのこ鍋は、えのき、しめじ、なめこ、まいたけなど、複数のキノコにより、素材本来の風味を堪能できる料理です。だしや肉を使用しないため、きのこの旨みがひと際際立ち、体にも優しいヘルシーな一品となります。
温度管理の重要性
ガッテン流のポイントは鍋の温度です。60～70℃の温度帯で調理することで、きのこに含まれる旨み成分「グアニル酸」を効率よく生成します。これは、かつお節のイノシン酸や昆布のグルタミン酸と並ぶ三大旨み成分のひとつ。温度が重要な理由を知ることで、より美味しい仕上がりが期待できます。
材料と準備
基本の材料（1人分）
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| えのき | 100g |
| しめじ | 100g |
| なめこ | 100g |
| まいたけ | 100g |
| なす | 2個 |
| 長いも | 200g |
| 長ねぎ | 1本 |
| 冷や麦 | 1袋（お好みで） |
| しょうゆ | 60ml |
事前の下処理
・えのき、しめじ、なめこ、まいたけは石づきを取り、食べやすい大きさにカット。
・なすと長いもは短冊切り、長ねぎは斜め切りにします。
・冷や麦はパッケージ記載の時間通りに茹でておくと、後の仕上げで活躍します。
作り方
基本の調理手順
1. 大きめの鍋に1リットルの水を入れ、えのき、しめじ、まいたけ、なすを加えます。
2. 中火で加熱し、約7分ほどで温度が65℃前後に達するのを確認します。
3. ここで弱火に調整し、なめこ、長いも、長ねぎを追加。さらに10分ほどじっくり加熱します。
4. 最後にしょうゆを加えて味を整え、強火にして沸騰直前で火を止めます。
5. お好みで冷や麦を器に盛り、かけ味として仕上げれば完成です。
温度管理のポイント
なぜ60～70℃が重要なのか
きのこの旨み成分グアニル酸は、60～70℃の温度で生成量が増えます。これは、グアニル酸を作る酵素の最適な働きかけ温度であるためです。したがって、鍋全体の温度が安定してこの範囲になるように、途中で火加減を調整することが料理の成功の鍵となります。
後から具材を追加するコツ
最初に加える具材と後から加える具材を分けることで、具材それぞれの食感と旨みを活かすことができます。最初に加えるきのこ類は加熱時間が長くなるため、旨みが溶け出し、後から加える野菜類や長いもは、仕上げにとろみを出す役割を果たします。
バリエーションアイデア
揚げ出しきのこ鍋
ベースとなるきのこ鍋に、豆腐の揚げ出しを加えることで、カリッとした食感ととろみのあるスープのコントラストが楽しめます。
・豆腐をキッチンペーパーで余分な水分を取り、食べやすい大きさにカット。
・耐熱皿に並べて軽くラップをかけ、電子レンジで加熱。
・片栗粉と薄力粉を混ぜた衣をまんべんなくまぶし、170℃に熱した油でカリッと揚げます。
・揚げた豆腐を先ほどのきのこ鍋に加え、かぼうどおりに仕上げれば、いつもと違った食感が楽しめる一品に変身します。
麺類との相性
きのこ鍋は、とろみのあるスープが冷や麦やうどん、そばなどの麺類と非常に相性が良いです。
・麺類は事前にしっかりと茹でておくこと。
・食べる直前にきのこ鍋のスープをかけることで、もちもちした麺に旨みがしっかり染み込みます。
・冷めた状態でも美味しさをキープするので、忙しい日の夕食や作り置きにもおすすめです。
きのこ鍋に合うおすすめの調味料
シンプルな醤油の力
このきのこ鍋レシピでは、調味料はしょうゆのみを使用します。シンプルながらも、良質な醤油を使うことで、きのこの旨みを引き立てる上質な味わいに仕上がります。
・国内産の大豆や小麦を使用した天然醸造醤油は、素材の風味を壊さず、深いコクを加えてくれます。
・昆布だしが加わった醤油を使うと、さらに和風らしい繊細な味わいに。
醤油の選び方
調味料選びは料理の仕上がりに大きな影響を与えます。
・無添加であり、国産原料を使用しているものを選ぶと、純粋な味わいを楽しめます。
・好みで塩分控えめのものを選べば、より素材本来の味が際立ちます。
まとめ
今回ご紹介したガッテン流きのこ鍋は、シンプルな材料と調理法ながら、温度管理にこだわることできのこが持つ旨み成分を最大限に引き出すレシピです。具材の下処理や、後から加えるタイミング、そして調味料にこだわることで、旨みが凝縮された美味しい鍋が完成します。
日々の献立に取り入れて、家庭で手軽にプロの味わいを楽しんでみてください。シンプルなながら、体にも心にも優しいこの一品を、ぜひお試しあれ！
